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田上 雅彦; 中俣 公徳*; 早野 明; 栗原 新; 天野 健治; 鶴田 忠彦
no journal, ,
地下深部の地質構造、特に透水性構造として機能する水みちの分布や地質性状に関する情報は、地下水流動や水質形成メカニズムの理解,地下構造物の設計・施工などの工学的評価を行ううえで特に重要な役割を有している。これまで国内外で報告されている亀裂性岩盤中の透水性構造は、断層などの高角度の地質構造に関するものが多く、低角度の地質構造に関する記載は限られていた。しかし、近年、花崗岩を対象とした地下研究施設や高レベル放射性廃棄物の地層処分場における詳細な地質学的調査・水理学的調査により、岩体上部に高い透水性を有する低角度の割れ目(帯)が特徴的に分布する事例が日本や北欧諸国で確認されており、安全評価の信頼性向上や止水対策の観点から、それらをより精度よく把握することの重要性が高まってきている。そこで瑞浪超深地層研究所に分布する花崗岩上部で確認された高透水性の割れ目に着目し、それらの空間分布や地質産状に基づく構造区分に基づき、構造発達過程を予察的に検討したので、その結果について報告する。
竹内 真司; 三枝 博光; 塩崎 功*; 細谷 真一*; 長田 昌彦*
no journal, ,
割れ目系岩盤中の地下水流動を把握するためには、流動に影響を及ぼす高透水性の水みちや遮水性(もしくは低透水性)の割れ目(以下、不連続構造)を調査し、その空間分布を推定することが必要である。日本応用地質学会に設置された「応用地質における地下水問題研究小委員会」WGは放射性廃棄物処分技術開発,ダム,トンネルの3つの分野で設定しているスケールごとに、不連続構造の調査,モデル化事例を比較し、これらの情報を補完的に活用することによって、不連続構造のモデル化手法の信頼性を向上させることを目的として活動している。本稿では放射性廃棄物処分の技術開発の分野で実施されてきた不連続構造の調査,モデル化の事例について整理した結果と、本WGの今後の展望について紹介する。